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 予防システム導入
歯科医院数は増え続け、現在の数は7万軒に迫っています。歯科医院の生存競争が激しくなる中で、カリエスは減少傾向にあり、従来のような虫歯や歯の欠損などを対象としてきた治療中心の診療体系では、先の見通しが立たなくなってきています。

つまり、現時点で患者さんが多く来院していても、今後はどうなるかわからないというリスクがあるのです。今後も、安定した患者数を確保していくためには、現在の診療体系を見直していく必要があるという訳です。

診療体系を見直す際に、有効な手段の一つが予防をベースとした診療体系への移行です。つまり、予防を推奨することで、疾病を持った患者さんだけではなく、健康な生活者に定期的に来院してもらう診療システムを構築するということを意味します。

年齢により、疾患罹患リスクが異なるため、プログラムは2種類必要になります。1つは子供を対象とした虫歯予防、もう1つは成人を対象にした歯周病予防です。

ただし、予防をベースとした診療システムを完成させるためには、次のような幾つかの壁を乗り越えなければなりません。

 第1の壁 院長先生の意識改革
予防をベースとした診療体系に移行するということは、院内での主役が歯科医師から歯科衛生士へ交代していくことを意味します。そういった理由で、予防システムの構築を歯科衛生士に任せているということをよく耳にします。

しかし、予防への取り組み全体のリ−ドをするのは院長先生です。予防システム導入を歯科衛生士に押し付けていたのでは成功しません。院長先生が中心となり、歯科衛生士を含めたスタッフと一緒に協同していかなければならないのです。

予防が成功できるかどうかは、院長先生の予防に対する熱意にかかっていると言っても過言ではありません。

 第2の壁 患者さんへの動機づけ
予防を実践する主体は、あくまでも患者さんです。つまり、患者さん自身の自発性や積極性がなければ予防は成立しないということです。そこで、大切になってくるのが予防ニーズをいかに掘り起こしていくかということ。

つまり、「お口の健康を守るためには、定期的なメンテナンスを受けることが有効である」と患者さん自身に気付かせていく、動機付けていくという啓蒙活動を行うことが、予防を成功させるカギになるのです。

この啓蒙活動を円滑に行なうための機会がコンサルテーションです。院長先生が目指す予防型歯科医療システムの構築に当たっては、予防の為のコンサルテーションが必要不可欠なものとなります。

 第3の壁 スタッフのモチベーション
予防を推進して、安定した患者数が確保できるようになっても、その結果がスタッフにきちんと跳ね返ってくるような仕組みにしないと、次第に業務に本気で取り組まなくなります。

もたらされた利益が院長先生にだけ流れる仕組みでは、医院全体を活性化させることは困難です。

院長にも歯科衛生士を含めたスタッフにも患者さんにも、利益がきちんと還元されるような仕組みにしないと、本当の意味での予防型歯科医療システムは完成させることは出来ません。

また、スタッフが短期間でころころと入れ替わるようでは、予防をベースとした診療システムはいつまでも不安定な状況に陥ってしまいます。