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 強い歯科医院へと変革する
強い歯科医院へ変革する為には、市場競争に勝てるレベルの優位性をつくりだす設計図(勝ちパターン)が必要です。医院の特色を明確にして患者を集める仕組みとなる診療モデル(戦略とマーケティング)と組織としての実力を高める仕組みとなる人財モデル(システム化と組織化)を医院の中に構築することで、高収益化を実現できる強い歯科医院へと変革していきます。


 はじめに競争に勝てる診療モデルをつくる
強い歯科医院になるために、まず戦略とマーケティングを決定して、競争に勝てるレベルの診療モデルをつくることが必要です。戦略とは、医院を際立たせるための方法論のことで、誰に何をどのように提供するのか考えることです。

日本経済が右肩上がりの時代は、歯科市場も同様に拡大していたので、戦略を意識しなくても経営を成長軌道にのせることができました。しかし、歯科市場が成熟期に入り、競争が激化しててくると、今までと同じやり方や考え方では生き残ることが難しくなってきました。そこで、競争相手と差別化し、優位性を構築する為の戦略が必要となってきたのです。

マーケティングの目的は、戦略に基づいて、新規患者を費用対効果的に獲得し、その獲得した患者さんを維持して医院のファンにしていくプロセスをつくるということです。利益を生み出す源泉は、歯科医院にとっての顧客である患者さんです。患者さんがいなければ、あるいは患者さんからの支持がなければ、利益を生み出すことは出来ないのです。

 医院を際立たせる戦略構築から
戦略をわかりやすく言い換えると、どんな患者さんをターゲットにして、どういった治療を、どのような方法で提供して、ライバルとの差を生み出すのかを決めた筋書きです。

経営者である院長先生の中には、治療技術を磨くことばかりに努めていて、戦略については、まったく研究をしない人がいます。実際に独立開業したからには、戦略の研究がとても大事であるということに気がついていない人が多いのです。

治療技術は、実際に経験していくことで自然に身についていくことも多いですが、戦略は、きちんと腰を据えて研究しなければ、なかなか身につくものではありません。時と場合によっては、治療技術よりも重視しなければならないのです。

 次に、マーケティングへ投資する
今は、数年前と時代が様変わりし、ウェブサイトや書籍あるいはセミナーを通じて、初診患者を集める手法、コンサルテーションで自費率を向上させる手法、予防を推進して定期的に医院へ足を運んでもらう手法、などのノウハウを、簡単に手に入れることができます。

しかし、これら個々のノウハウを統合し、医院全体のマーケティングプロセスに置き換えて、狙ったとおりの成果を出している医院は、ほんの一握りだけです。ここに大きなチャンスがあるのです。最初から体系化されたマーケティングプロセスを構築することで、医院経営を最速で成長軌道へのせることができます。

もちろん、マーケティングの実行には投資が必要になります。最低でも、医院売上の3%〜5%程度はマーケティングの為に投資する覚悟をしてください。上手くいけば、投資したお金の数倍から数百倍にもなって戻ってきます。現場で見ていて、いつも思うのは、成功する院長先生はこの投資が自然と出来ています。逆に上手くいかない院長先生は、この投資がなかなか出来ません。

人・物・金という経営資源をどこに投資するかによって成果は何倍も違ったものになります。したがって、マーケティングに経営資源を集中的に投下し、経営が成長軌道にのってきた後に、組織力を高める人財エンジンの構築に投資するという順番にすべきです。

 人財モデルで現場力を高めていく
勝てる戦略と卓越したマーケティングがあれば、それだけで強い歯科医院になれるかというと、それほど単純ではありません。

いくら診療モデルが秀逸であっても、それを実行して、継続的な成果へ導く力が組織に備わっていなければ、所詮、それは絵に描いた餅で終わってしまいます。

強い歯科医院になる為に、次に求められるのが実行力と継続力なのです。そのためには、現場としての力を高める仕組み(システム化と組織化)をつくることが必要です。

システム化は、スタッフの誰もが一定レベル以上の仕事が実行できるように業務を標準化するという意味です。つまり、スタッフの誰が、いつ、何を、どのように行動すればよいのかを整理することで、誰が業務を遂行しても同じようなアウトプットを導き出せるようにすることです。

システム化が完成したら、継続的な成果を生み出せる組織へと変革していきます。強い組織とは、院長先生とスタッフの価値観が共有できた組織ということができます。そのために、まず実践すべきことは、医院の進むべき道であるビジョンを明確にして、スタッフを一体化しておくことが必要です。

一体化が成功したら、スタッフを育成して戦力化する仕組みの構築が次に行うべき行動です。さらに戦力化したスタッフに継続した活躍を求めるには、スタッフがその取り組みについてモチベーションを保てるような環境(公正な評価と報奨)が必要になります。そして、最後が新たな人材の採用になります。

強い組織をつくるということは、スタッフを一体化して、一体化したスタッフを育成し、成長したスタッフを公正に評価して、さらに必要な人材を採用するというサイクルをつくることであり、一体化、育成、評価、採用をどう組み立て、どう充実させるかということになります。

 医院経営を成功に導く4要素
戦略、マーケティング、システム化、組織化という4要素は、それぞれが複雑に絡み合っています。どれか1つの要素が悪ければ、それは全体に悪影響を及ぼします。逆に、4要素に整合性があり、一体化すれば、計り知れない力を発揮する可能性があります。理想の歯科医院を実現するということは、この4要素の品質を磨いていくということに他ならないのです。